〒319-1711  茨城県北茨城市関南町関本下1050番地 TEL 0293-46-1121

はじめに

病院薬剤師は、常に患者様に安全に治療を進めて行く上で、お薬を安心してお使いいただけるようお手伝いをしています。新病院となり10年が経過し、改めて患者さんの治療に関わる『お薬』の安心安全な使用に関わっていることを感じます。
外来患者さんには、院外調剤薬局の薬剤師さんが、入院患者さんには病院薬剤師がお役にたてるよう頑張って参ります。何卒ご理解とご協力をお願いいたします。
病院薬剤師の仕事は裏方の仕事が多いのですが、主な業務をご紹介いたします。

スタッフ

薬務室は令和6年4月現在で、薬剤師7名(女性3名)、事務員2名で業務を行っています。

調剤業務

医師が処方した薬について、投与量や服用回数、飲む時間帯、重複や飲み合わせなど確認しながら調剤を行っています。
その際、錠剤が服用しづらかったり、困難な状況である場合は、散剤やシロップ剤へ又はOD錠(口腔内崩壊錠)へ変更提案を行っています。また、飲み方がわからなくなってしまう方には、1回分ごとに分けて包装する(一包化)、というように一人一人に適した処方を医師に提案しています。患者さんからの困っていること心配なことをお聞かせください。

◎入院調剤 電子カルテの導入に伴い、薬剤調剤のシステム化を図りました。
  薬袋発行、薬事情報書、ラベル等の自動化
  全自動錠剤分包機の導入による入院患者の服用薬一包化
  散薬調剤、水剤調剤の監査システム化

◎外来化学療法 安全キャビネットによる抗がん剤の注射剤混注調整
  専用の部屋(陰圧室)を設け、安全キャビネット(バイオケモカードe3BCG601)を導入しました。
  環境と混注作業者への抗がん剤暴露を最小限に防止するためです。

◎特定生物由来製剤の管理(含使用歴)のシステム化

◎へき地巡回診療
 水沼・小川地域へ週1回巡回診療を行っています。
 高齢化が進んでおり、腎機能に合わせた服用薬の用法・用量に注意し調剤しています。

病棟業務

◎薬剤管理指導業務

入院患者さんのお薬を管理しています。 入院の時に、他の病院で処方されている薬を持参してくることが多く、その内容を調べ、医師へ処方提案のもととなる情報をまとめます。併せて患者さんにアレルギー歴や副作用歴をインタビューします。
また、入院中に副作用を早期発見できるようお話を伺ったり、検査値をチェックしています。医師や看護師と連携して適切な薬物療法に対応しています。医療従事者間の連携においても、各部門の風通しが良くチーム医療の一員として頑張っています。

医薬品情報管理(DI)

最新の薬剤情報を収集、整理し医師や他の医療スタッフに提供し、医薬品が安全かつ適正に使用できるようにしています。 また、医薬品、一般医薬品、中毒情報、ワクチン情報、注射の配合変化・腎機能に合わせた投与量等の問い合わせに対応しています。

医薬品の管理と供給

医薬品の保管が適切な貯法であるか、また、有効期限のチェックを行うとともに損失がでないように在庫の管理をしています。近年、後発医薬品の出荷制限に伴い不安定な流通に対しても、医薬品卸と連携し安定供給できる他のメーカーに変更・発注を行うことで治療継続に支障が出ないよう供給に携わっています。在庫管理システムの導入による発注業務、適正在庫の管理を効率化しました。

教育

〇毎年、職場体験学習で地域の中学生(2年生)を受け入れています。
〇薬学生の長期実務実習(11週間)を受け入れています。

病院薬剤師として基本的な項目から選択項目を含む「北茨城市民病院 卒後研修プログラム」を作成しました。その中で、基礎の学びの段階として、日本病院薬剤師会「日病薬病院薬学認定薬剤師」又は、日本薬剤師研修センター「研修認定薬剤師」を取得を目標としています。また、その次の段階として「感染制御認定薬剤師」の取得を目標としています。常に薬剤師のスキルアップのための研修会、講演会参加など自己研鑽できる環境です。
北茨城市が中心となり、他職種の集まった地域連携の会「北茨城コミュニティー研究会」への参加を通して、地域医療を学ぶ機会もあります。外来化学療法に携わることで、がん治療に関わる知識も得ることができます。ゆくゆくは、外来がん治療認定薬剤師(APACC)など取得も可能と考えます。
今後、インターンシップの受け入れも行う予定です。見学のみでもご相談ください。