北茨城市民病院 内科 髙橋 聡子
皆さんは、歯をしっかり磨いていますか?口の中を見ていますか?
歯周病は歯の中にとどまらず、全身の病気と深く関連しています。今回は代表的な病気について簡単にご紹介します。
①糖尿病
糖尿病の合併症は、網膜症・神経障害・腎症・動脈硬化性疾患・足病変が有名ですが、最近は第6の合併症として歯周病が注目されています。
歯周病で、歯に炎症が起きると体内のインスリンの効きが悪くなってしまい血糖が上がり、血糖が高くなると抵抗力・血のめぐりの低下を引き起こし歯周病が悪化します。
このため、糖尿病が悪いと歯周病が悪化し、歯周病が悪化すると糖尿病が悪くなる・・・という悪循環をきたします。この悪循環を断ち切るために、歯周病の治療が重要になってきます。
②誤嚥性肺炎、感染性心内膜炎
肺炎は死因の第3位です。口のケアをしている方としていない方では、誤嚥性肺炎になる確率は1.5倍程度差があるという研究もあります。菌が、気管・肺に入り感染すると誤嚥性肺炎、血管の中に入り感染した場合に起きるのが感染性心内膜炎です。感染性心内膜炎は、心臓の弁に細菌の塊が付着してしまい、弁を破壊し、全身に菌を飛ばす恐ろしい病気です。たかが歯、されど歯。口の中は全身の病気の入り口とも言えます。
これを機会に口の中の健康にも気を配り病気の予防に努めていただけたらなと思います。80歳で20本の歯を目指しましょう!