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北茨城市民病院 外科 窪木 大悟

 大腸癌の症状は、血便、便秘や下痢の繰り返し、便が細い、お腹がはる、腹痛などがありますが、早期癌はほとんどが無症状であり、早期発見が難しい病気です。

 そのため、大腸癌検診は便鮮血という、便に目に見えないわずかな血液が混じっているかどうかの検査が行われており、非常に有用です。便鮮血が陽性であれば、大腸癌から出血しているかもしれないため、内視鏡(大腸カメラ)で精密検査が必要です。ただし、便鮮血が陰性だからといって大腸癌ではない、とは言い切れないため、検診以外にもご自分で便を見て、血が混じっていないか、細くないか、便秘や下痢ではないか、観察することが大切です。そのような際にはやはり、大腸カメラを受けましょう。

 そして細胞の検査を行い、大腸癌と診断された場合、CT検査などで癌が他の場所に広がっていないかを判定し、治療法を検討します。手術や化学療法(抗癌剤)、早期癌であれば内視鏡治療も可能です。これらの検査、治療は当院で行っております。放射線治療が必要であると判断した場合には、適切な医療期間にご紹介しております。

 日本で新たに大腸癌と診断される患者さんの数は年間約11万人で、高齢化と食生活の欧米化により年々増えています。大腸カメラは気が進まない方も多いかと思いますが、勇気を振り絞って検査を受けることが、早期発見には必要不可欠です。気になる症状がある場合、まずはご相談下さい。