北茨城市民病院 産婦人科 小 池 数 与
最近、マスコミで「がん検診は受けてもムダ!」と主張されている医師の方がいます。症状が出てからの受診でも遅くはないという主張です。
しかし、子宮頸がんに関しては、出血などの症状がまったくないまま進行した例も多くあるのです。また、これまでの研究で、子宮頸がん検診を受ければ、子宮頸がんによる死亡率は下がることがはっきりと証明されています。ですから、がん検診不要の主張は、こと子宮頸がんに関しては間違っています。
また、子宮頸がん検診では、がんになる前の段階で発見することができるのです(異形上皮)。この早期の段階では、治療は子宮を全部取る手術ではなく、子宮の出口だけを切除し子宮を残す手術を選んで、妊よう性(妊娠ができるということ)を保つことができます。これは、死亡率を下げることと同様に大切なことです。
最近では、子宮頸がんの多く発生する年齢層が30歳代ですので、子宮を残すということが求められているのです。子宮がんを早期に正確に発見するためには、がん検診を継続して受けることが有効なので、ぜひ女性の皆さんには子宮頸がん検診を毎年受けることをお勧めします。