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産婦人科 小 池 数 与

 朝太陽がのぼり、夕方に日が沈み夜になる一日という周期があります。春夏秋冬の季節のある一年という周期があります。我々はこの周期のなかで暮らしています。さらに女性には、毎月定期的に来る月経という周期があります。妊娠して出産して、またもとの月経にもどるのも周期です。初潮で月経が開始して、閉経で月経が終了するのもひとつの大きな周期とも言えるでしょう。このように女性は一生涯を周期で暮らしているといっても過言ではありません。

 女性の病気はこの周期に関係したものが多くあります。月経に関係したものとして月経前症候群(PMS)というものがあります。これは、月経開始の1、2週間前から様々な症状があらわれ、月経が開始すると消失してしまうものです。卵巣から分泌される黄体ホルモンのためと言われていますが、原因が完全に解明されているわけではありません。症状は多彩で個人差もありますが、下腹痛、腰痛、乳房痛、頭痛、肩こり、めまい、吐き気、便秘、むくみ、肌荒れ、食欲の変化、集中力の低下、眠くなる、不眠、イライラ、攻撃的になる、無気力、ゆううつ、不安感、気分の変化など様々です。そんな症状を改善するためには、規則正しい生活とバランスよい食事、適度な運動、カフェイン・アルコールを控えること、ストレスを避けることなどが良いとされています。しかし、このような事でも改善せず、生活に支障が出ている場合は、産婦人科外来を受診する事をお勧めします。外来では、低用量のピルの内服や漢方薬、症状にあわせた治療薬の処方で症状の改善をはかります。

 産婦人科外来の受診は敷居が高いと言われています。皆さんが産婦人科を受診する時には、意を決して、勇気をもって受診しているのだと思います。我々産婦人科医師は、受診する皆さんの不安や心配を少しでも解消し、安心して生活できるようにと考えていますので、ぜひ気軽に受診していただきたいと思っています