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家庭医療センター 梶川 奈月

 人間関係のストレスを減らすためには、上手にコミュニケーションをとることが必要です。今回はその方法の1つとして、相手を尊重しながら自分の気持ちや意見も伝えるコミュニケーション方法である『アサーティブなコミュニケーション』『アサーション』の一部をご紹介します。

 例:あなたは残業で疲労困憊です。帰宅すると、先に帰宅していたパートナーがテレビを観ていますが、洗濯物は干したまま、夕食の支度もまだです。あなたはイライラしてきました。さて、あなたならどのように伝えますか?
 ①怒ってしまう:「あなたはなんでいっつも何もしないの!」と怒鳴る。
 ②嫌味を言う:「あら、あなたはテレビをみる余裕があっていい身分だこと。」と聞こえるように言う。
 ③何も言えない:「遅くなった私が悪いから仕方ないですよね・・・」と心の中で言う。
 これらの伝え方だと喧嘩になったり、不満をため込んでしまったりします。そこで、アサーティブなコミュニケーションの登場です。『みかんていいな』と覚えましょう。

【み:見たことを述べる】
 感情や評価を含まず、事実だけを客観的に、具体的に伝えましょう。「現在夜の十時です。洗濯物が畳まれておらず、夕食の準備もできていません。」
【かん:感じたことを述べる】
 述べた状況に対して、自分の感情を率直に、「私」を主語にして話しましょう。「私はクタクタで、ゆっくり休みたい気持ちであるため、私はあなたに苛立ちを感じます。」
【てい:提案する】
 自分が期待する具体的な行動や変化を提案しましょう。「私が夕食の支度をしている間に、あなたは洗濯物を畳んでもらえませんか。」
【いな:否定されたときの代替案を述べる】
 相手に受け入れてもらえない場合の別の選択肢を提示しましょう。複数あると良いです。「代わりに夕食を買ってきてもらえませんか。」「畳まなくてもいいので取り込んでもらえませんか。」
 いかがでしょうか。少し工夫するだけで自分も相手も気持ちが楽になるかもしれません。『みかんていいな』をぜひ実践してみてください。