眼科 今留 尚人
最近、アレルギー性結膜炎を新たに発症したり、憎悪させる方が多くなっています。今回は、アレルギー性結膜炎についてお話しします。
アレルギー疾患に対しては、根治療法が確立されておらず、対処療法のみになっているのが現状です。アレルギー性結膜炎の場合、花粉などの空気中の浮遊物に対する反応ですので、正直なところ打つ手がないのが実情です。
症状に対する有効な方法が「洗い流す」です。どんなにひどい花粉症の方でも、目の症状に対してだけは、1時間に1回の洗顔を継続することで、目の周りについたアレルギー物質を取り除くことができ、ほとんどの場合、点眼なしで改善します。朝の洗顔と同じ簡単なもので良いのです。薬効と副作用が余程強いものでない限り、アレルギー点眼薬は30分程度しか効果の持続が期待できませんので、次の洗顔までの時間稼ぎと割り切ってご利用ください。
また、「水道水で頻回洗顔」が結膜炎予防にもなります。「からだにもお財布にも優しい」とお考え下さい。大切なのは、痒いからと言って擦らないことです。蚊に刺されて掻いたときと同様、アレルギー反応は益々強くなります。「痒いと思ったら擦らず洗顔」を心掛けてください。
さらに、眼(がん)瞼炎(けんえん)(まぶたに起こる炎症)に対しても、同じ対処法が有効な場合が多いです。ただし、眼(がん)瞼炎(けんえん)の場合は、冷水よりも温水で洗う方が、まつ毛の根本の脂が溶けて洗浄効果が上がります。朝晩2回くらいの温水洗顔が予防になりますので、「ものもらい」を繰り返している方は試してみてください。
もしも、対処しても症状が改善されない場合は、医療機関にご相談ください。