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家庭医療センター長  五十嵐  淳

 「いつの間にか骨折」という言葉をテレビのCMなどで聞いたことはありませんか?これは「骨粗しょう症性脊椎圧迫骨折」のことで、骨粗しょう症により気づかないうちに背骨が折れてしまうことです。今回はそんな骨粗しょう症についてのお話です。
 骨粗しょう症は骨の強度が低くなり、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気のことです。日本では1300万人もの方が骨粗しょう症になっていて、増え続けています。骨粗しょう症は特に閉経後の女性に多くみられますが、他にも糖尿病、高血圧、慢性腎臓病などの生活習慣病や、喫煙、飲酒なども原因になります。また、骨の量は20代が一番多く、次第に減少していくため、加齢とともにその頻度は増加します。
 骨粗しょう症がなぜ問題かというと、骨折しやすい状態を放置することで何度も骨折を繰り返し、徐々に運動機能が低下して、やがて寝たきりになってしまうからです。特に骨折しやすい場所は背骨や足の付け根の骨、腕の骨です。
 骨粗しょう症になっているかは、病院の骨密度検査で知ることができます。特に65歳以上の女性の方は、年1回検査を受けることをお勧めします。40歳~70歳の女性の方は5歳ごとに骨粗しょう症検診を受けられるので、こちらを利用してもよいでしょう。
 また、骨は新陳代謝しているので、骨の強度維持には食事や運動も大事です。食事では、骨を作る成分であるカルシウムとタンパク質を含む食品、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが多いイワシなどの青魚、カルシウムの定着を助けるビタミンKを含むホウレンソウや納豆などをバランスよく、規則正しくとることが大切です。運動は骨量の維持や増加に役立ちます。転倒に気をつけながら30分程度のウォーキングなど少し息があがるくらいの運動が目安です。毎日できそうな自分に合った食事や運動を見つけて継続して行ってみてください。