北茨城市民病院 内科 宮 本 卓
皆さんは便秘で悩んでいませんか。
便秘は生命の危機には直結しませんが、日常生活の質を低下させます。定期的な便通は健康的な生活の基本でしょう。便秘は女性ホルモンの影響で若年女性に多い疾患ですが、高齢化に伴い男女ともに増加していきます。
慢性便秘症ガイドラインというものがあり、便秘は「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。つまり、排便回数は問題ではなく、快適な排便ができていれば便秘ではありません。
しかし、最近排便が不規則であるとか、お腹が張ってひどいといった症状がある場合、一度は内科外来受診をお勧めします。便秘になる原因は様々で、もともとのご病気や内服薬などが原因のこともありますが、大腸内視鏡検査を行って大腸癌や治療の必要なポリープなどが無いか確認することも必要かもしれません。
通常の便秘ならば何より生活習慣が重要です。1日3食しっかり食べて、十分量の水分摂取(1日1.5リットル程度)と1日1時間程度の散歩など軽い運動を行いましょう。乳製品(牛乳やヨーグルトなど)、食物繊維(野菜、果物、全粒穀物や芋など)、米や大豆製品などの伝統的日本料理を摂ることは大変効果的です。
便秘が改善しない場合は、安易に市販薬に頼らず、お近くの内科医院でお気軽にご相談ください。通常の便秘だと思っていても別の病気のこともあり、使用する便秘薬にも注意が必要なことがあります。