〒319-1711  茨城県北茨城市関南町関本下1050番地 TEL 0293-46-1121

北茨城市民病院 歯科口腔外科 長谷川 佑磨

 

  「口腔外科」って何?そんな素朴な疑問を持ったことはないでしょうか。
  自分なりの説明をすると「歯科という学問における専門分野のひとつ」です。
  実は歯科にも医科と同様に様々な専門分野があります。虫歯治療、歯の神経の治療、歯周病の治療、被せ物治療、入れ歯作り(これらは一般歯科治療といいます)、歯並びをなおす矯正歯科などに細分されていて、町の歯医者さんはこれらを幅広く行っていることがほとんどです。
  一方、口腔外科は一般歯科とは趣きが異なり、具体的には、歯を抜く、顕著な炎症を抑える、顎骨骨折の整復、癌の治療などが主だった治療です。ただし、どこまでの疾患に対応できるかはその病院の規模や設備に大きく左右されます。
  では当科はというと、近郊の歯科医院からの依頼を中心に抜歯などの基礎的な口腔外科疾患を時に全身麻酔下で治療し、高血圧や糖尿病に代表される慢性的な全身疾患をもつ方(有病者といいます)が多い北茨城市民の需要に合わせ一般歯科治療も行っている、というイメージです。また、総合病院という特徴から口腔清掃が行き届かない長期入院中の患者さんへの口腔ケアに力を入れており、最近では食べ物の咀嚼(そしゃく)・嚥下(えんげ)機能の低下で栄養コントロールができない方のために、内科、看護師、リハビリ科、栄養士と共に、機能向上を目指す摂食・嚥下チームを立ち上げ始めました。
  以上が当科の例ですが、口腔外科の在り方は様々です。一般歯科との違い、口腔外科の専門性、理解は深まったでしょうか。