北茨城市民病院 内科 山 本 翔太郎
タバコが身体に悪い、というのは良く言われることですが、今回は実際どのように悪いのか等、喫煙について記載します。
具体的にはどのような悪影響があるのでしょうか。肺がんのリスクになる、というのは有名ですが、気管支喘息の発作のリスクも上げますし、心筋梗塞、脳梗塞等の血管イベントのリスクも上げると言われています。また、流産、早産、周産期死亡などのお産のリスクにもつながり、高血圧などの生活習慣病にも影響します。
またタバコは、自分だけが害を受けるわけではなく、周囲も同じ被害を受けます。2018年7月に健康増進法の一部を改正する法律が成立し、2020年4月1日より全面施行されており、望まない受動喫煙を防止するための取り組みが積極的になされています。
それは、直接吸う煙よりも、タバコの先から出て周囲に広がる煙のほうが、タール、ニコチン、一酸化炭素といった有害物質が多く含まれており、受動喫煙の方が喫煙の諸リスクが高いからです。
これを読んで禁煙を考えた方、すでに考えている方、様々いらっしゃることと存じます。依存性のある嗜好品ですので、なかなか止められずどうすればいいか分からない、という方もいらっしゃると思います。当院でも行っておりますが、禁煙治療は健康保険等を使って受けることができます。まずは、自分、そして大切なご家族のためにも禁煙を前向きに検討して頂けたらと思います。