北茨城市民病院 産婦人科 小池 数与
生理(月経)は、初経から閉経まで一生涯で平均450回も経験します。生理痛は腹痛や腰痛が主ですが、頭痛や吐き気など他の症状も含めて医学的には月経困難症と言います。生理痛に対しては、鎮痛剤(市販薬も含む)をガマンしないで飲むことを勧めます。鎮痛剤は軽い痛みでも早めに飲んでください。痛みが強くなってからでは効きづらくなります。鎮痛剤を使っても20−30%の方はひどい痛みが続きます。この場合は、病院を受診しましょう。
鎮痛剤以外の治療として、低用量ピルを飲んだり、黄体ホルモンを放出する子宮内リングを使用したりして生理痛と出血量を軽くすることができます。最近はいろいろな低用量ピルがつくられ、年に3〜4回と月経回数を減らすこともできます。ただし、ピルは喫煙者や高血圧の方などでは使えない場合もあります。その場合は漢方薬を鎮痛剤に併用したりします。
生理痛の原因として、子宮内膜症などの病気の可能性もあります。子宮内膜症は子宮内膜が子宮の内側以外の場所(卵巣や腹膜など)にあり、そこで増殖しはがれ出血を繰り返す病気です。この子宮内膜症は若年(未成年)でも発症することもあり、早期に診断し治療することが勧められています。低用量ピルで子宮内膜症の予防ができるという報告もあります。生理痛治療には多くの方法がありますので、生理痛はガマンする事なく気軽に産婦人科外来を受診して相談してください。