北茨城市民病院附属家庭医療センター センター長 高橋 聡子
7月になり、暑い日が続きます。
この時期になると熱中症で病院へ搬送されたというニュースをよく耳にします。
平成29年5月から9月までに熱中症により救急搬送された患者さんは全国で52984人に及びます。
その患者さんの60%以上は軽症ですが、重症の場合は生命に関わることもあります。
熱中症の現状と症状・予防について知っておきましょう。
現状
年齢別:搬送されるのは高齢者、次で成人、少年、乳幼児、新生児の順に多い
死亡数が最も多いのは65歳以上
発生場所:住居が最も多く、次いで野外、道路、仕事場の順に頻度が高い
症状
めまい・耳鳴り・頭痛・吐き気・嘔吐・呼吸困難・全身倦怠感・脱力感・眠気など様々な症状が現れます。
また、こむら返りなど筋肉の痙攣が見られることもあります。さらに重症な場合には、
意識障害などがみられる場合もあります。
このような症状が出現してきたら早めに病院へ受診しましょう。
予防
加齢により暑さを自覚しにくくなりエアコンや扇風機の風を嫌がった結果、
熱中症になっている、ということもあります。
高齢のご家族の方がお一人暮らしの場合は、介護サービスなどをうまく利用しながら
体調の確認が定期的に入るように工夫してみると良いかもしれません。
要注意:子供、高齢者、屋外で働く人、火を使う人、スポーツをする人
・炎天下や暑い場所での長時間の作業やスポーツは避ける。
・喉のかわきを感じなくても水分をこまめに補給する。
・汗をかいたときは、塩分も補給する。
・室温をこまめに確認する。
以上を気をつけながら楽しく健やかな夏を過ごしましょう。