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北茨城市民病院 内科 一ノ瀬 大地

 そろそろ秋が近づき、運動でもしようかと思う人もチラホラいるでしょうか。しかし、やる気がある時に限ってケガをすることがよくあるものです。

 捻挫、打撲は多くみられるケガです。そんな時の応急処置として、覚えておいてほしい事があります。それはRICE(ライス)です。これは、Rest(安静:患部を動かさない)、Icing(冷却:患部を冷やす)、Compression(圧迫:患部を包帯やテーピングで巻く)、Elevation(挙上:患部を心臓よりも高い位置に上げること)の頭文字です。怪我したその直後からこのRICEをやることで、症状の改善具合が大きく変わります。  

 そしてさらに大事なことはこのIcingの方法です。捻挫、打撲が起きているのは皮膚表面ではなく、皮膚よりさらに深い関節や筋層です。時に冷却シートを張る方や冷却スプレーを使う方もいますが、これらの2つは皮膚の表面は冷してくれますが、捻挫や打撲にはあまり効果はありません。

 そのため適切なIcingをするためには、袋に氷を入れて、タオル1枚程度を挟み、凍傷にならない程度にしっかりと冷やしてください。目安は30分程度です。冷やした後に少し休憩し、また30分程度冷やします。そして最後にもう1度、と1日に3回やると効果的です。さらに、これを3日間やると症状はより和らぐでしょう。30分、3回、3日間と覚えてください。

 もちろん骨折していないか心配だと思うので病院を受診してもらって構いませんが、この処置は怪我した直後に始めることが重要です。

 病院に到着して、問診の時に「RICEしてきました。」なんて言えたらかっこいいですね。