北茨城市民病院 歯科口腔外科 寺田 和浩
口腔がんを初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか。
口腔がんとは口の中にできるがんで、舌・歯肉や頬粘膜にできる病気です。口腔がんの中でも舌がんの発生頻度が最も高いと言われています。口腔がんは胃がんや肺がんなどの他のがんと比較して発生頻度が少ないのが特徴ですが、我が国では年々増加傾向にあります。
【原因】
原因としては喫煙や飲酒が大きくかかわっていると言われています。また口腔の不衛生やウイルス、合っていない義歯などによる慢性刺激も原因とされています。
【症状】
初期症状は口内炎と見分けがつかないものもあります。長期間治らない口内炎には注意が必要です。進行すると硬いしこりができたり、痛みが出たり、出血したりすることもあります。また食べ物が摂りにくいとか、話しづらいといった症状が出現することもあります。
【治療】
一般的には手術療法、放射線療法、抗がん剤による化学療法などがあります。口腔がんは初期のものではほとんどの症例が治癒すると言われています。
口の中は食事をしたり、発音に大きく関わっている場所です。早期に発見し治療を行うことが非常に大切ですが、なかなか自分で見つけることは難しいかと思います。定期的に歯科医院を受診することをお勧めします。