北茨城市民病院 内科 石橋 直樹
みなさん、こんにちは。北茨城市民病院 内科の石橋直樹と申します。今回は高血圧に対する生活習慣についてのお話をしようと思います。
日本の高血圧者数は約4300万人と言われ、これをお読みの皆様の中にも高血圧と診断されている方がいらっしゃると思います。高血圧の治療としては薬を飲むことも重要なのですが、何よりもまず生活習慣の改善が大切です。
生活習慣で気をつけるべきことは①食塩制限、②減量、③DASH食、④運動、⑤禁煙、⑥節酒の6点です。それぞれ説明していきます。
① 食塩制限:1日食塩摂取量を6g以下に制限すべきとされています。塩分量は味噌汁1杯で1g、ラーメン1杯で5-6gと言われており、1日6g以下にするには意識的に減塩しなければ難しいでしょう。
② 減量:肥満はあらゆる生活習慣病の原因となります。適正体重(BMI<25)を保つことが重要です。※BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
③ DASH食:果物、野菜、魚油を積極的に摂取し、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える食事をDASH食と言います。紙面の都合で詳しく述べることはできませんが、興味がある方は調べてみてください。
④ 運動:定期的に有酸素運動(早歩きなど)を少なくとも1日30分、なるべく毎日行うことで血圧の低下が期待できます。運動により筋肉量が増加すると消費カロリーが増え、減量にも有効です。
⑤ 禁煙:タバコは百害あって一利なしです。受動喫煙(タバコからでる煙を非喫煙者が吸うこと)にも注意が必要です。
⑥ 節酒:アルコール換算で20g/日程度(ビール500ml、日本酒1合程度)に制限する必要があります。アルコールを摂取すると自然とおつまみなどで塩分摂取量も増えてしまいます。適度な量に抑えましょう。
これら全てを厳密に守るのは難しいかもしれませんが、生活習慣を改善させると血圧を下げる効果はあると思います。この記事をお読み頂いた方は、これを機に普段の生活を見直してみてはいかがでしょうか。