患者様中心の医療提供と信頼される病院運営に取り組んでまいります。

北茨城市民病院 外科 窪木 大悟


 日本において、2014年の時点で胃がんで亡くなった人の数は、全がんの中で男性が2位、女性が3位で、年間4万8千人もの人が亡くなっています。しかし、検診の普及による早期発見や治療技術の向上により、胃がんで亡くなる方の割合は年々減少してきており、早期に適切な治療を受けることが重要となります。

 胃がんの治療法は、手術、内視鏡治療、化学療法(抗がん剤)が中心となります。CTやMRIなどの検査で、切除が可能な患者さんには手術を行います。胃を全部切除するか、胃の一部を切除するかは、がんのある場所やがん細胞の性格によって決まります。最近では、条件を満たせば腹腔鏡を用いてより小さな創で胃を切除することも行っており、身体にかかる負担が小さくすむことで注目されています。胃を切除したあとは食生活に影響が出てくるため、看護師や管理栄養士とも協力し、患者さんに指導を行っております。
 一方、非常に進行したがんの場合、胃を切除せずに食べ物の通り道のみを作るバイパス手術を行うこともあります。
 また、最近では胃の粘膜に留まる早期がんで、リンパ節に転移している可能性が低い場合には、内視鏡、すなわち胃カメラを用いてがんを切除することも可能です。切除した病変を顕微鏡で検査した結果によっては、やはり手術が必要になることもありますが、胃カメラで治療を終えられた場合は、身体への負担が少なくなくすみ、その後の食生活にもほとんど影響を及ぼしません。
 このほか、転移などがあり、手術によってがんが取りきれない場合にがんの進行を抑えるため、又は手術後に残っているかもしれないがん細胞に対する治療として化学療法があります。この治療は、正常な細胞にもダメージを与えることで出る副作用に注意しながら慎重に行っていきます。

 これらはガイドラインに沿った標準治療と呼ばれるもので、当院でも全ての治療を行っております。最終的には患者さんの希望、体力、ライフスタイルを総合的に考え、どの治療法が一番適しているか、患者さんと一緒に考えていくこととなります。いずれの治療を行う場合にも、痛みなどの症状を伴う患者さんに対しては、その症状を緩和することも並行して行っており、苦痛のない毎日を過ごせるようにお手伝いさせていただいております。
 

 このように当院では、適切な胃がん治療を提供できる体制を整えておりますので、検診で異常を指摘された方、症状等で心配の方はぜひ受診されることをお勧めします。