患者様中心の医療提供と信頼される病院運営に取り組んでまいります。

外科科長   小出 綾希

 全国的に皆さんの病気の予防に対する意識が高まってきていることもあり、近年は当院においても胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)や大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)の実施件数は増加傾向にあります。

 このことで、胃がんや大腸がんが早期の段階で発見される機会も大変多くなってきています。

 20年前くらいまでは、このような早期がんの患者さんに対しても他の進行がんの患者さんと同じように外科的な手術(つまりは開腹手術)を行っていました。 しかしながら現在では、胃がん/大腸がん患者さんの約3割近くが内視鏡的治療のみで治療を完了しているといわれています。 大腸のポリープをカメラで切除してもらった…なんて話を身近でお耳にされたことがあるかもしれません。一般的にポリープという名称は、良性の腫瘍(できもの)に多く使われます。

 しかしながら、輪投げの輪のようなワイヤーでポリープの根元を絞り込むようにして切除する従来の方法(EMR)では、腫瘍がとても大きかったり、平たく発育するような腫瘍では、一括での切除ができない場合があり、正確な術後診断(完全に取り切れたかどうかの判定)の妨げとなっていました。

 このような腫瘍に対しても一括で切除できる方法として10年ほど前から行われるようになったのが、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離切除術)という切除法です。 これは、腫瘍の粘膜下に薬剤を注入して病変を浮き上がらせてから、1mm ほどの針状の電気メスで腫瘍を粘膜ごと少しずつ剥がしていく方法です。比較的高度な技術を要しますが、ほとんどすべてのタイプの早期がんを切除することができます。

 当院では2010年より毎年約20~30名前後のESDを行っており、良好な術後診断を得ております。

 しかしながら、このように優れた手術がいくらできるようになっても、まずはがんを早期発見しなければ意味がありません。 ぜひ、定期的な胃カメラ/大腸カメラをお勧めいたします