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北茨城市民病院 内科 五十野 桃子(いその ももこ)

 成人糖尿病患者は1000万人を超え、10人に1人は糖尿病と言われています。
糖尿病になってしまうと、治療にお金もかかり、 合併症が進行してくると生活の質を落とさなければいけなくなる場合もあります。
 糖尿病の中には発症してしまうことが不可抗力なものもありますが、生活習慣病としての糖尿病は発症を予防することもできます。
 

    ポイントは、①バランスのとれた食事、②運動習慣、③肥満にならない、④健康診断を年1回受診する!です。
血糖値やHbA1c(糖尿病の指標)、尿糖をチェックすることで、糖尿病に近づいているかどうかが判断できます。
また、該当者は特定保健指導で生活習慣改善のための指導を受けることができます。
職場の健康診断、一般健康診査、特定健康診査、後期高齢者健康診査、人間ドックなどを利用しましょう。(北茨城市健康カレンダーP29-30)
 

    糖尿病と診断されてからは合併症の予防です。糖尿病の合併症は「し・め・じ」「動脈硬化」「歯周病」です。
「し」は神経障害で、足の感覚が鈍くなる、便秘や下痢になりやすいなどがあります。
「め(眼)」は網膜症で、進行すれば失明することもあります。
「じ」は腎症で、進行すれば人工透析が必要になることがあります。
「動脈硬化」は、脳梗塞、心筋梗塞・狭心症、閉塞性動脈硬化症など、全身の大事な臓器に血液を送る動脈が細くなり詰まってしまいます。
「歯周病」で歯が抜けやすくなります。

 何よりも重要なのは通院をやめないこと!
進行させないためには血糖コントロールをよくすることが重要ですが、合併症チェックのためには定期的な検査が必要です。 眼は症状がなくても眼科にも通院しましょう。歯のケアも歯科で行うことをオススメします。
 
    生活の質を落とさなくて済むように、日頃から予防を意識しましょう!