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北茨城市民病院 脳神経外科 布施 仁智

 今回は心房細動と言う不整脈のお話です。脳外科医がなぜ不整脈の話をするの?と不思議に思われるかもしれません。

 心房細動は1分間に300回以上に細かく心臓が震えている状態です。心房と言う心臓の一部が痙攣のように震え、ポンプとして血液を送り出す動きが悪くなってしまいます。突然の動悸、胸の不快感、ふらつきなどを自覚し、悪化すれば心不全になる事もありますが、厄介な事に無症状の方も大勢いらっしゃいます。

 そして、最も困るのは、心房細動によって心臓の中の血流に淀みが生じて血の塊である「血栓」が生じ、これが血流に乗って脳血管を詰まらせてしまう事で発生する心原性脳塞栓症です。この血栓は大きく溶けにくいため重症化しやすいのが特徴です。

 高血圧による動脈硬化性の脳梗塞よりも症状が重く、約半数は命を失うか、意識障害、麻痺、言語障害など重度の後遺症を残してしまいます。

 脳梗塞、その一歩手前の一過性脳虚血発作になって初めて診断された方、健康診断で偶然発見された方、不整脈の自覚・悪化など、その診断に至った経緯は様々です。不整脈を疑うような自覚症状があれば、放置せずに一度は医師の診断をお受けください。脳梗塞で倒れ重度の後遺症を残す前に、積極的に心房細動を疑ってください。

 脳外科医が不整脈のお話をさせていただいた理由を少しでもご理解いただければ幸いです。